入退室管理システムとは?活用方法をご紹介!

入退室管理システムというワードでこのページにたどり着いた方は、何の目的でたどり着いたのでしょうか?
鍵を開けるシステムで良いものが無いか、セキュリティの向上のために上司に指示された、色々な状況があるとは思いますがシンプルにお伝えできればと思っています。
ただ単に鍵を開けるシステムであれば、入退室管理システムを導入する必要はありません。
基本は、ノートと鉛筆、それがあれば良いのです。
必要なもの、必要ではないもの、その事を理解していただきたいという思いでこのコラムを書いていますので、ぜひご覧ください

入退室管理システムって何

システムと言いますが難しいことではありません。
要するに、警備員の役割と同じです。
部屋でなくとも、工場の入口や、倉庫や空港などで要件を伺ったりされる事を経験している人も多いと思います。
その人が入っても問題ないかどうかを判断をしたり、何時に手続きしたのか記録を残す必要がある場合に設置をします。
24時間警備員を配置するのが困難であったり、間違いが無いログを取得したい人や企業が導入するものであり、鍵を開けるための設備ではありません。
多くの扉に設置する必要は無く、ときには入口限定して必ずそこを通過する様に導き、誰が何のために入室するのかを管理(把握)する為に必要なシステムになります。
限定して通過できる扉を、専門家はGATE(ゲート)呼びます。

ゲートの通過条件はアクセス権限と言い、人、時間によって区別されます。

アルバイトは平日でかつ17:00まで、社員は24時間365日通過可能
そういった権限を付与することができます。

どのように活用できるの?

イメージとしては、高速道路で言うとETC、電車で言うとPasmoやSuica、ICOCAなどの非接触ICカードの仕組みと同じです。
交通系ICカードは、誰がいつどこを通過したのか、またどこで降りたのかを記録して同時に料金を計算して、その場で清算します。
なぜそんな事ができるのか?というと、カードは世界で1枚しか存在しないような仕組みになっていて、そのカードが人や企業に紐づいているから、そのカードは人や企業と同じと見なしているわけです。
入口と出口のログを取得して、金額に反映しているわけですね。
入退室管理も同じです。
カード、指紋、顔、光彩など、世界で一つしかない物と人とを結び付けて、ログの取得をするわけです。
鍵を開ける仕組みではなく、ログをとることが目的ですから何を紐づけるかが重要になります。
カードは貸し借りができたり、落ちていたものを使うこともできますので、完全に本人を特定できるのか?というとそういうわけではありませんので、重要度に応じて指紋や顔などの生体認証が必要な場合もあります。
交通系ICカードとは違う重要な場面もありますので、より正確な本人確認と認証記録を残す事が出来ます。

さて、記録を残すことに何の意味があるのか?という事ですが、ここが最大のポイントになります。
そこにその人が在室している理由、在室していてはいけない理由、または権限が無い人が入ろうとした痕跡などが明確になりますので、社内管理で言いますと、予定通りの行動をしている確認であったり、無意味な残業を減らすため、または許可を得ていない第三者から社員を守る事に活用をしたり、社外で言いますと、人の出入りを適切に管理をしているということは情報の管理もしっかりしているだろうという信頼につながる事にもなります。
ISOやPマーク取得と同じ理由ですね。

近年では、どちらかというと社外へのPRを目的に設置する事が多くあるように感じています。
自動的に鍵が開き、入室出来るのはどちらかというとオプション機能になります。

要するに、誰が何のために入室しているのか?を記録する。
かつ、高速に処理をする為に必要な設備ということになりますので、ただ鍵を開けたいというニーズに対してはオーバースペックという事になります

入退室管理システムが必要ではない世界とは

このコラムを書いている私自身、以前に入退室管理って必要なんだろうか?と考えたことがあります。
面倒な入退室管理システムが必要な理由って何だろう。
昔の日本は、信頼が基本で「こんにちは~」と勝手に入ってこれるフルオープンな関係だったはずで、日本には馴染まないと思っていました。

そもそも入退室管理という言葉があまり馴染みもなく何か高圧的に感じます。
また英語ではアクセスコントロールという言葉で表現されるわけですが、この言葉もコントロールされている様であまり良い感じではありません。
(わたしだけでしょうか・・・)

堅苦しくなく、行動が制限されないで自由で活発な交流をするためには必要ではないと感じる方もいらっしゃると思います。
しかし理想と現実は必ずしも一致しません。
行動範囲や交友範囲を広げていくと、必ず違う価値観の人達も混じることになりますし、何よりもオープンな関係を築こうとすればするほど、大きな会社や社会から疑問を持たれることになります。
「おたく、大丈夫?」
うちの社員は大丈夫、うちの取引先は大丈夫という感覚は今の社会からは残念ながら受け入れられません。

ある一定の共通のルール作りが必須になります。
そういう意味では、信頼を勝ち取るためだったり安全な会社だとPRする為には必要な仕組みであり、万全な情報管理をするためには必要だと考えます。

一例をあげると、前項の「どのように活用できるの?」であげた電車の改札ですが、2000年以前では人がスタンプを押したり、専用の機械(改札鋏)で切れ込みを入れていましたが、今では見かけることも無くなってしまいました。
自動改札機・Suicaへ移行の歴史からAI時代の仕事を考える | PARAFT [パラフト]

いつどこで誰が、また正確で素早く記録をすることが求められている今、入退室管理システムは必要だと私は思います。

さらに、専用のスタッフを配置するとなると人件費がかかりますので少なくとも年間数百万円の維持費もかかる事になりますので、今後ますます必要性は増してくると思います。

活用するためには

入退室管理システムで一番の問題となるのが、ログをとるためにすべきことと、そのログの管理の手順と運用です。

まず、ログをとるためにすべきことはユニークな媒体、つまりカードやICタグ、指紋や顔情報などを登録して個人と紐づけをする作業が必要です。
さらにその人がいつ、どこに入室出来るのか?といったアクセス権限を付与する必要があります。

ログを管理するためにすべきことですが、入退室管理システムの運用を開始しますと、膨大な情報が記録されていくことになります。
1日に多いところでは、数百から数万というログが蓄積していくことになりますので、必要なログを探し出すために検索をする作業が出てきます。
常に触っているソフトであれば容易なことではありますが、毎日管理が必要なところはそう多くはありません。
取り扱い方法をあらかじめまとめておく必要があります。

活用するためには、社員教育とアフターフォローをしてくれる業者との付き合いが必要、という事になります。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
入退室管理システムは単純に鍵を開ける仕組みでは無いという事を理解して頂けましたでしょうか?

通常の鍵ですと、鍵を入手するといつでも誰でも開ける事ができますが、入退室管理システムでは、曜日や時間で入室できる、できないを制限したり、ログをとることでいつ、どこで、誰がその場所にいたのか?ということが分かるようになります。

とても便利な仕組みですね
一方で個人情報を集めるわけですのでセキュリティ対策も必要になってきますが、それほど大げさな話ではありません。
その話は、また違うコラムに掲載しようと思います

公開日:2020/11/01