入退室管理システムの共連れ防止対策を考える

入退室管理システムの活用で最も重要なことは、いつ、誰が、どの部屋に入室したかを正確に記録し管理することです。しかしこれを徹底させるためにやっかいなのが、『共連れ』という問題です。

共連れとは、一人の入退室時に、1回の認証で認証した人と、認証していない人が一緒に複数人で入退室してしまうことを言います。こうして不正に入退室してしまっても記録には残りませんので、なにか悪意があって行動されたときに個人を特定することができませんので問題です。せっかく入退室管理システムを導入しても意味がなくなってしまいます。

この『共連れ』の物理的な防止法として、セキュリティゲート、アンチパスバック、監視カメラの3つの施策があります。それぞれの詳細と導入事例を説明していきたいと思います。

共連れでありがちなケースとは?

共連れとは、一人の認証で複数の入退室者が生じるもので、社内の情報漏洩対策問題としてあげられる重要な課題です。認証を受けた人の後から、うっかり認証をせずに入退室をしてしまうことで悪気がなくてもしばしば起こってしまいやすいものでもあります。

例えば、朝の混雑時、駆け込んできて認証せずに入ってしまったり、後に続く人を気遣いドアを押さえてくれていて、うっかりそのまま出入りしてしまったり、ICカードを忘れて同じ部屋の人の後について入ってしまうことなどです。こういったことが容易にできてしまうようでは、せっかく入退室管理システムを導入してもまったく保全になりません。

企業の持つ情報の重要度や利用目的にもよりますが、まずは情報保全のために、入退室管理がいかに重要かということについて研修を行うなどの教育を行った上で、必要な防止手段を取り入れる必要があろうかと思います。

入退室時の共連れ防止策にはどんな手段があるのか?

セキュリティゲート:一認証につき一人通過限定ゲートの設置

物理的に1回の認証で1人しか通過できないようにブロックできるゲートを設置して不正入室を防止する方法です。JRや地下鉄で見るような威圧感の少ない改札ゲートや、上下の侵入ができない透明なプレートのドアで遮るゲート、回転ドアのような堅牢なロータリーゲートなどがあります。ただコストが高くなりがちで、設置するスペースも必要となります。

最近ではオフィスのドアを外し、外したスペースに設置できる仕様のゲートもでてきています。導入には初期費用として設備と設置工事がかかりますが、受付監視要員を省人化できる利点もあります。

カメラ&センサー:カメラで不正入室をチェック

入室時の不正入室を防ぐ方法として、先にご紹介したゲート設置より安価で導入しやすいものとして、入退室管理システムに、監視カメラとセンサーの設置をプラスして、扉付近に集まる人たちの入退室状況をチェックします。

入室エラーが起きた場合、当事者にはアラームで知らせ、管理室にはリアルタイムで映像とアラートで知らせて入室前に対応きるようにします。証拠映像として残せるので、万一、事件や事故が発生した際に検証がスムーズに運ぶ可能性が高くなります。カメラやセンサーの装備であれば導入の障壁も少ないので、システム選びと共に事前に専門家と相談されることをお勧めいたします。

アンチパスバック:退室時に不正入室者の流出を防ぐシステム

アンチパスバックとは、入室する時ではなく退室時に入室認証が行われなかった入室者の退出を許可せず扉の解錠をしないシステムです。

新たな設備の設置不要で取り入れやすく、入室時の対策と合わせてセットで導入し、社内でこのシステムついて周知して内部不正の抑止につなげられます。しかし、退室時の共連れを必ずしも防止できるわけではありませんので、機密性の高い情報を扱っている場合には何かしら物理的な設備は導入した方がよいでしょう。

入退室管理における共連れ防止策のまとめ

共連れは悪意を持った複数の人間が示し合わせて行動することにより防止することが難しくなる場合もあり得ます。

企業規模や情報の機密性、建物の特性やスペース、利用者の人数などによって選択は変わってきますので、綿密な設計が必要です。ゲートがいいのか、カメラとセンサーにするなら、どんなカメラやセンサーが現場に合うのか、さまざまなケースに合わせた対応策をアドバイスしてもらえる専門家とのご相談をされることが回り道することなく、結果、時間も労力もコストも抑えられることが多いのも事実です。

弊社では、入退室管理システムでのさまざまなお悩みに対して、よりよい環境をご提案させて頂くべく、お問合せに応えています。

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公開日:2021/11/08