入退室管理システム導入費用の種類と価格の相場について

入退室管理システム導入の予算を出すときの重要ポイント

入退室管理システム導入の際に思うことは、いったいどんな機能があってどんなことができるのか?自分の会社の求めることを実現するには何が必要なのか?そしてそれぞれの価格はいくらなのか?初期費用は?ランニングコストは?総費用は?といろいろな疑問が頭の中を駆け巡るものです。

価格は、導入を現実化する際に重要な指針となりますが、入退室管理システムを導入する際には何を得ることが一番大事なのか、何を求めて入退室管理システムを導入するのかということを念頭においてください。

機密性の高い事業内容であればあるほど、堅牢性の高いサービスを利用したり、認証精度の高い機器を採用するなど費用は高額に向かう傾向があります。どの程度の堅牢性を必要としているのかがサービスや機器を選ぶ際に重要な決め手になります。

また使用する人の人数や管理するフロアで何室導入するのかなどさまざまな条件で費用は異なります。見積がよりリアルな数字に近づくように事前準備として、社員数や訪問者など利用者の人数、フロアや部屋の広さや扉の数、扉の設置面の数など社内規模をしっかり把握しておくことが費用を割り出す上で重要なポイントです。

入退室管理システムの具体的な費用の相場について

予算を組むために、具体的なサービスや使用機器の相場を知ることは重要なことです。予算の目安になるように以下、表にまとめましたので、ご参考にされてください。

入退室管理システムの導入にかかる費用としては、導入前にかかる『初期費用』と、導入後の利用中にかかる『ランニングコスト』があります。

初期費用』には、おもに以下の4つの費用がかかります。
①認証方法、②扉数、③扉の設置面・入室側or入退室両側、④設置工事です。

ランニングコスト』としては、システムを利用するための①サービス利用料、アフターサービスとしての②保守費用、があげられます。

入退室管理システム導入にかかる費用の種類と価格の相場

入退室管理システム導入時の『初期費用』で必要なものとして①認証機器の機器を選ぶことです。認証方法には、テンキー認証、カード認証があるほか、生体認証として、指紋認証、静脈認証、虹彩認証、顔認証の合計6種類の認証方法があります。それぞれについて簡単な説明と相場をお伝えします。
テンキー認証

暗証番号を入力して解錠する『テンキー認証』。
コストを抑えることができますが、個人を特定できないことや暗証番号を知られてしまう恐れがあり、部外者の侵入防止の為に定期的に暗証番号変える必要があります。(相場:2~10万円)ICカード認証

読取機器(リーダー)にかざして解錠する非接触『ICカード認証』。
ICカードの紛失や盗難のリスクがあるので対策と補充の費用が必要。また機能拡張可能なサービスの場合、社員証や勤怠管理を兼ねる事も可能。(相場:8~20万円)指紋認証

指紋の特徴を判断する『指紋認証』や、血流パターンで照合する『静脈認証』はなりすましが難しいですが、指紋情報が少なかったり、指の乾燥や皮脂によって読取精度が落ちることがあります。静脈は血流が悪くなる冬場や指の置き方によって認証時間がかかってしまうことがあります。(相場:指紋5~30万円・静脈20~60万円)虹彩認証

生体認証の中でも『虹彩認証』は、年齢に左右されにくい瞳孔以外の部分で認証を行います。
双子でも認証が確認できるほど精度は高いのですが、読取の際の機器との距離感が難しく、機器も高額になります。(相場:40~70万円)顔認証

顔の輪郭や骨格、目鼻口の位置や大きさなどの情報を基に認証を行う『顔認証』は、読取機器に顔を読み取ってもらうだけなので、荷物などで両手がふさがっていても可能で、しかも顔のコピーは難しいため利便性と安全性の面で優れており、汎用性も高いので、個人使用から大企業まで広く利用できる認証方法です。(相場:20~150万円)

次に、『初期費用』の②扉数、も価格を大きく左右する重要ポイントです。
導入する部屋が多くなれば、機器の取付けは扉の数だけ必要になります。
仮に、1扉につき機器と設置費用でトータル100万円かかるとして、同じ内容で2つの扉に設置する場合、100万円×2扉で、初期費用総額200万円かかることになります。

そして同時に扉で気をつけなければならないのは、入室側だけに設置するのか、それとも入退室両側に設置するのかという点です。これが③扉の設置面・入室室側or入退室両側、です。入退室両側に設置するとしたら、1つの扉でも、片面の倍かかります。価格を大きく左右しますので、ご注意ください。

もし仮に1扉につき機器と設置費用でトータル100万円かかるとして、2つの扉とも入退室両側同じ内容での設置が必要になる場合、1扉200万円×2扉で、初期費用として400万円みる必要があるということになります。

そして入退室管理システム導入の『初期費用』の最後の項目が④設置工事です。
これは、使用する認証機器の取付や配線など施工にかかる費用で、配線距離や管理する部屋数、扉の種類によって費用が変わります。

配線距離というのは、電源から認証機、そしてPC迄と距離が長くなるほど配線材や人件費がよりかかります。また管理する部屋数によって作業量は変わりますし、導入する部屋が階をまたいでの工事になりますと距離の長さや配線の複雑さなどで費用が加算します。さらに、扉に機器を埋込む際、扉の材質により加工しやすさが異なり、加工の難易度によって費用がよりかかることになります。
また扉が薄すぎると機器の埋込みができないといったこともあり、扉自体を変えるか、取付可能な他の機器を扱うサービスを探すかということにもなり、扉の種類も費用を左右する要因となります。

では、次に入退室管理システム導入後、サービスの利用を維持するためにかかる費用、『ランニングコスト』について説明いたします。
ランニングコストには、①サービス利用料、②保守費用の2つがあげられます。サービス利用料は、おもにクラウド型サービスの利用のために必要な費用で、契約するサービス内容によって異なりますが、多くの場合、月額料金や年額で支払うことが多いので、サービス内容にそって試算し、毎月かかる費用として問題ないかを確認することが重要です。
またサービスによっては、大人数で利用したらお得になるものや、初期費用はかかるが、買い取り型の方が長期的な利用で安くなるといった場合もあります。

そして基本的は長期的に使い続けることになりますので、ずっと快適に使い続けるためには、定期的な点検や調整、不具合や故障の際の出張費や機器の修繕費のカバーなどのために保守の内容も把握しておく必要があります。

入退室管理システム導入にかかる予算の出し方についてのまとめ

入退室管理システムは、会社ごと求める内容が異なります。当然、導入するサービスや必要な機器も違います。クラウド型のサービスは増えてきており、内容もさまざまです。
そこでサービスのチョイスがブレないように、入退室管理システムを検討するには、まず入退室管理システムを使う際に、自社の機密性を守るために、どんなことができたらよいのか、ということをしっかりと認識することが重要です。

そして目的に合わせた入退室管理システムのサービスを探し、サービス内容と料金プランを確認し、導入する際の毎月のランニングコストを出し、持続可能かどうかを確認します。
さらに必要な認証機器やカード、端末など購入するものの価格と必要数、そして施工費の見積などを出してもらって初期費用の概算を出していきます。
また求める堅牢性が高いものであれば、不正入室がないようにカバーできる機器を足すことが必要になる場合なども入れ忘れないよう気をつけてください。

このように費用を出すには、煩雑な作業が多くなりがちです。
入退室管理システムを導入することは事業内容によっては急務の場合もあると思います。機密保持は大事な事ですが、日々の業務の中でこれだけの作業をするのはやはり大変といった方も多くいらっしゃると思います。餅屋は餅屋、という言葉があります。専門家に聞きながら進めた方が時間も労力もぐっと負担が軽くなります。
弊社では、入退室管理専門の相談所を設けております。
ぜひお気軽にご相談ください。

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公開日:2021/09/06