忘れることを前提に、仕事は設計する
S-TEKTの働き方の考え方
忘れてもいい環境、という考え方
S-TEKTでは「忘れてもいい環境をつくる」という考え方を大切にしています。無責任に忘れてよいという意味ではありません。人は必ず忘れる存在である、という前提に立ち、忘れても仕事が成り立つように設計するという考え方です。
「忘れないこと」が前提になると、起きること
世の中では、「忘れない人=仕事ができる人」とされがちです。しかし、記憶に頼りすぎると、仕事は個人に縛られます。「忘れないこと」が前提になると、人はその範囲の中でしか動けなくなります。
忘れない範囲でしか挑戦しなくなる。そこに、成長の上限が見えてしまうのです。
ひとりがミスをしたとき、「すみません」で終わらせてしまうのは小さな問題かもしれません。それ以上に重いのは、挑戦そのものが組織から消えていくことです。忘れない範囲に収まらないチャレンジを、そもそも選べなくなる。記憶に縛られたまま、組織全体が新しい一歩を踏み出せなくなる。そこに気づかないままだと、本当の課題は見えてきません。
原体験(30代前半・セキュリティ案件とAccess)
私自身、30代前半の頃、その限界を強く感じました。セキュリティの仕事が急激に増え、自分の記憶や整理のやり方では追いつかなくなったのです。
そのとき出会ったのが、Accessというデータベースでした。データを記録し、整理することで、「頭の中に覚えておく」負荷を減らせました。そこで気づいたのです。忘れてもいい環境を、意図的につくればいい、と。
その仕組みは、自分だけでなく、他の人が補い合える状態も生み出しました。外回りや工事など、自分が本来担いたい仕事に、もう一度集中できるようになったのです。
バックオフィスと、補い合うチーム
同時に、バックオフィスの大切さも身をもって知りました。請求や定型の事務など、自分が苦手な部分を担ってくれる仲間がいる。そのおかげで、仕事は回り、組織は前に進みます。
人には得意と不得意があります。それを補い合う関係こそ、チームの姿だと考えています。私たちは、バックオフィスを「裏方」ではなく、価値を一緒につくるパートナーとして見ています。
問うべきは「忘れたかどうか」だけではない
忘れることが問題なのではない。設計が問題だ。
本当に問題なのは、「忘れた」という事実そのものだけではありません。忘れたときに仕事が止まってしまう設計になっていること、そこに向き合うほうが本質に近いと考えています。
うまくいかなかった出来事の原因を、ひとことで片づけてしまうと、そこから学べることが見えにくくなります。成功だけでは見えない課題も、そこには必ずあります。
DXが担うこと(記憶と価値の分担)
だからこそ、私たちはDX(デジタルトランスフォーメーション)に取り組みます。ただし、紙を画面に置き換えるだけではありません。記憶や定型の部分はシステムに任せ、人は価値を生むことに時間と気持ちを向けられるようにする、というイメージです。
最適な仕組みを考え続け、「ここは無理だ」と早合点しないこと。その積み重ねが、組織の力を引き上げていくと信じています。
人にしかつくれない価値
仕組みが整うほど、人は本来向き合いたいことに集中できます。相手の状況を受け止めること。タイミングを見て動くこと。思いやりを持って関わること。そうした温かさは、仕組みの外側で、関係をつくります。
いま進めていること(ハブとなる仕組みと、人)
いま、S-TEKTでは社内の仕組みを少しずつ進化させています。目指しているのは、全員が生き生きと働けるよう支える「ハブ」に近い仕組みです。
ただ、どれだけ仕組みが整っても、それだけですべてが完結するとは考えていません。最後に価値を形にするのは、温かい心を持った人だからです。仕組みと人の両方を、セットで考え続けたいと思っています。
S-TEKTのスタンス
私たちは「忘れない人」を評価する会社ではありません。
忘れても価値を生み出せる仕組みをつくる会社です。
この考え方が根付くと、助け合える関係が生まれ、得意を活かせる場が広がり、挑戦しやすい空気が育っていく。人が人らしく働ける環境を、これからも一緒につくっていきたいと考えています。
